爪と爪先の肉が離れる「爪甲剥離症」とは?
爪と爪先の肉が離れる「爪甲剥離症」とは?
日常生活の中で、爪と爪先の肉が離れてしまったことはありませんか?ここではその原因や治療法についてお伝えしていきます。
爪甲剥離症とは
爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)とは、爪が指の先端の肉から離れ浮き上がっている状態のことを言います。
年齢や性別には関係なく起こり、手の爪によくみられる症状です。
手の平の方から爪の裏側を見てみると、爪と指の間に張り付いている皮のようなものがありますが、これをハイポニキウムと言います。
ハイポニキウムは爪と指をくっつけて隙間からバイ菌が入るのを防ぐ役割をしていますが、爪との間に何か引っかけてしまったりした時などに、ハイポニキウムを傷つけてしまうことがあります。
ごく先端のハイポニキウムのみが傷ついてしまったのであれば、爪が伸びてくる過程でハイポニキウムも伸びて自然と治っていきますが、深くまで剥がれてしまったりどんどん剥離が進行するようであれば受診が必要になります。
爪甲剥離症の原因
爪甲剥離症の原因には上記のような外傷もありますが、その他にも下記のような原因が考えられます。
・真菌性のもの(カンジタ、白癬菌など)
・爪下腫瘍(いぼ、タコなど)
・接触性皮膚炎などの皮膚疾患
・マニキュアやジェルの慢性的な使用による刺激
・全身疾患を伴うもの(鉄分欠乏貧血、糖尿病、甲状腺機能異常など)
その他にも様々な原因が考えられる爪甲剥離症ですが、はっきりとした原因がつきとめられない場合もあります。
爪甲剥離症の主な症状
爪は本来は指にしっかりとくっついていて剥がれることはありません。
しかし爪甲剥離症を発症すると爪の先端から徐々に爪が剥がれてしまいます。爪が剥がれた部分は白ないしは黄色っぽくなりますが、細菌に感染している場合には緑色に変色することがあります。また、原因によっては一本だけでなく複数の指に剥離がみられることもあります。
爪甲剝離症の治療
まずは考えられる原因を特定していきます。
大きな力を加えたり外傷がなければ、剥がれた爪を顕微鏡でみて細菌や感染症の疑いがないか確認します。
また、血液検査をおこない貧血や甲状腺機能に異常がないかなども見ていくことになります。
もし原因がわかれば、それに対する治療を進めていきます。
例えば甲状腺機能異常が原因の場合は、甲状腺機能を是正するためのホルモン補充療法などがとられます。
また症状に応じて、抗生物質やステロイド、抗真菌薬などが処方されることもあります。
一旦剥がれてしまった爪がまたくっつくことはありません。
ですが、爪の根本の爪母(そうぼ)という爪を作る組織が壊れていなければ数か月で新しい爪が伸びてきて、剥がれた部分が先端へと移動し最終的には除去することができます。
原因に対処できれば新しく生えてくる爪はしっかりと指にくっつくので、時間とともに健康な爪に置き換わるのを待ちます。
剥離の症状がみられた場合は、爪が引っかかって更に症状を悪化させないよう短く整えると良いでしょう。
また、水仕事などの際はゴム手袋をしてばい菌が入らないように気を付けてください。
何より、早めに皮膚科を受診して原因を特定し、正しく治療を行っていくことが大切です。
ここまで、爪甲剥離症について見てきました。マニキュアやジェルネイルをしていると爪の状態が正しく見えず、症状が進行してしまうことがあります。少しでも違和感を感じたらネイルを外して爪の状態を確認するようにしてくださいね。